アトピー性皮膚炎
痒みを伴い慢性的に経過する皮膚炎(湿疹)ですが、その根本には皮膚の生理学的異常(皮膚の乾燥とバリアー機能異常)があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。慢性的ではありますが、適切な治療をきちんと受ければ、いずれ治ったと同様の状態になることが期待されます。乳幼児に多い疾患ですが、近年では成人になっても症状が現れる方もいます。
原因
アトピーになりやすい体質の人が、アレルギー物質に触れたり、乾燥や汗により皮膚に刺激を受けることでアトピー性皮膚炎を発症するといわれています。アレルギー物質は、卵や牛乳などの食物、ハウスダストやダニ、カビ、動物の毛など人によって様々です。
治療
治療では、ステロイドなどの塗り薬を使用します。1日2回(朝、夕:入浴後)適量を塗ることが原則です。人指し指の先端から第1関節部までチューブから押し出した量(約0.5g)が、成人の手で2枚分に対する適量です(finger tip unit)。皮膚の清潔保持のため入浴、シャワーを励行し、保湿剤の中から使用感のよいものを選んで1日2回塗ります。炎症を抑えると共に、スキンケアをきちんと行うことがアトピー性皮膚炎治療の大原則です。また、かゆみに対し抗ヒスタミン作用のある内服薬を併用することもあります。